あれは大体一年くらい前の出来事。
当時私の部下に「伊倉」という女性従業員がいました。
彼女はいわゆるイマドキの娘で、姿形は派手というか垢抜けているというか。
もちろん性格も現代の申し子と言っても過言ではないくらいに派手。
たまに礼儀知らずの一面をみせるが、仕事に関しては真面目である。
ある日、終礼が終わり早番のみんなで雑談が始まりました。
その内容は、心霊現象について。
伊倉さんはこの手の話はかなり苦手らしく、目をウルウルさせながら
なんとか付いてきている感じ。
ふと一人の従業員が、
「クロノスさんって、霊感強いんだぜ!」
と人の事を自慢げに話しはじめる。
まぁ確かに、昔はよくその手の体験はよくした。
実際に霊なのか何なのかは分からないが、見えたりした事もあった。
更に言えば、この会社に入ってから、この会社内でも
不思議な体験もした事がある。
しかし、
それは私の中で、思い込みにおける幻覚や幻聴で自己解決した。
で、
何故か分からないが、伊倉さんが、
伊倉「あの・・私に何か憑いてます?」ストレートにきた。曲げる事を知らないのかね。ちみは。
私に分かる筈がないし、霊感はあるかもしれないが
霊能者ではない。
見えてたまるかっ!でもちょっと楽しいかも・・・
私は目を凝らすふりをし、伊倉さんをジーっと見つめた。
私はこの日、寝不足のため少し目が霞みぎみ。
しかも、視力が左右均等ではないので、焦点があわない事もしばしば。
で、
何となく伊倉さんの右側が霞んで見えたので、
こりゃいいやヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
私「なんかね〜・・右肩の辺りがね〜・・・霞んでるよ〜」伊倉「えぇぇ〜・・・・」黙ってしまった。
しめしめ。。。。。
もうちょいいじめたろ・・・
私「あれ?どうしたの?」(・∀・)ニヤニヤ伊倉「きゃぁぁぁぁ〜!!!!」な、なんだよ!!!Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
伊倉「私・・最近・・右半身ばかり怪我するんです・・・」マジ・・で?伊倉「なんか・・頭痛くなってきた・・・」何・・で?伊倉「他に何か見えませんか?」私「大丈夫。何も見えない」(・∀・)ニヤニヤ伊倉「絶対見えてる・・・」そう言い残すと彼女は肩を落としながら帰って行きました。
が。
次の日。
伊倉「私・・次の休みに○○の霊能者の所に行ってきます。」その人はこの辺りじゃ結構有名な霊能者。
しかし、わざわざ片道2時間もかけて行くような事でもなかろうに。
どうせ、
霊能者「大丈夫。何も憑いとりゃせんよ。ふぉふぉふぉっ」て言われるのが落ちだろ。俺の言ったこと嘘だし。
一応その旨を伝えたが、本人は行く気満々。
数日後。
私「どうだった?」伊倉「・・・」伊倉「・・・憑いてるって・・・」うそ〜ん伊倉「で、今直ぐ除霊しないとエライ事になるって・・・」私「で、除霊してもらったの?」伊倉「はい・・」アチャ〜!(;´∀`)・・・うわぁ・・・
それって・・騙さ・・
伊倉「それでね、その見えた人も危ないから連れてこいだって・・・」行くかボケ。
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