私が禁煙していることは一部の人間しか知りません。
もちろん相方も店長も知りませんし、部長や社長も知りません。
そのことで弄られるのも嫌ですし、
逆に気を使ってもらっても嫌なので黙っていました。
んが。
知っているごく一部の人間の口からそのことがバレてしまったのです。
お酒を飲んで気持ちよくなると口がよく回るヤツっていますよね。
喋るに喋って、そのままの勢いで言っちゃいけないことも言っちゃうヤツ。
速攻で声帯をズッタズタに切り刻んでやりたくなりますよね。
店長「いや〜。今日は楽しいなぁ」
私「ええ、そうっすね」
社員1「タバコ吸ってもいいですか?」
店長「遠慮すんな。吸え吸え!」
社員1「あれ?クロノスさんは吸わないんですか?」
私「ちょ・・おまっ・・」
はい。えぐってきました。
えぐり返すぞ。って感じですよね。
でもこういう時は、軽く嘘をついて流せばオッケイ。
「喉が痛いから」とか「さっき吸ったから」
なんてベタな嘘でも当然のように通りますから。
みんな酔っ払っていますから。
チョーよゆーでいけますから。
私「あ。今禁煙中っす」THE 自爆まさかのカミングアウト。
このプリチーでぷるんぷるんした小悪魔な
私の唇が恨めしい。
口が滑るとかそんなん超越して、口が空飛んでます。
摩擦係数が限りなくゼロに近い空間を飛んどります。
それを聞いた店長がニヤリと。
ぽんっよよ〜〜ん!店長スイッチオン。
店長「へぇ〜。禁煙中なんだぁ〜」
私「え、ええ・・」
店長「あ〜うめー!タバコうめ〜!!なぁ!みんな?」
私「ははは・・」
私の他にも禁煙しているヤツは2人いますが、
そいつらからは哀れみの視線が降り注いでます。
てか、助けれ。
店長「1本くらい大丈夫じゃね?」
私「いえ、いりません」
店長「吸いたいんでしょ?ね?我慢は良くないよ!」
私「別に吸いたくありません」
ここは禁煙している連中の手前、引くわけにはいかんのです。
上司である以上、部下の目の前で約束を破るわけにはいかんのです。
でも、助けれ。
店長「分かった分かった。1本やるから。な?」
私「いえ、結構です」
店長「なに?店長様のタバコが吸えんとな!?」
私「・・・・・・」
店長「ふ〜ん・・そうなんだ・・ふ〜ん・・」
空気的にここでも尚、頑なに拒否をすると
場が冷めてしまいそうなので、1本だけ手に取り、
吸おうか迷っている子羊を演じます。
周りからは「イップク」コールが湧き上がる。
それによって場が盛り上がったのはいいのだが、
さて、このタバコをどうするか。
本当に吸いたくないし、捨てたら場が冷める。
シュボッ!店長がライターに火をつけ、
「俺の火で吸えねぇのか?」
と接近。
大ピンチ&軽くテンパイ。
そこでこの窮地をどうやって乗り切るか考えた!
そして、私はその場を読みきった!!!!
「肺に入れなきゃセーフじゃね?」↑ ↑ ↑ ↑
こ れ だ ! 店長の火とタバコは頂く訳だし、
肺に入れなきゃ喫煙じゃないし。(喫煙です)
場も冷めないし。
むしろ盛り上がるし。
これぞ最善の大人の判断ですよね。
私はタバコを手に取り、
スー
チリチリ・・
(肺に入れないように。肺に入れないように。)
フー!!!皆「あ〜あ!やっちゃった」
皆「禁煙失敗!」
様々な声が上がります。
禁煙連中に至っては、冷ややかな目で、
軽蔑の眼差しを私に送っています。
私「肺に入れてないからセーフじゃん!?」皆「・・・・・・」(ピシッ!)
会場凍結(死にたい)
↑ ↑ ↑ ↑
私に一体、どうしろと?
(大泣きしながら)
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